シリーズ『着地型観光とホームページ』Vol.3。観光情報の発信にSNSは不可欠なのか?今さらなようで意外と知られていない落とし穴に気をつけましょう。
デジタルマーケティングという言葉も日常用語になりましたね。デジタルにもマーケティングにも疎い私・ハヤシは、当然どちらも使いこなせていないですし、そもそもどちらもあまり信じておりません。
完全にアナログ好きですし、売れるしくみ(マーケティング)を考えるよりも、ダイレクトに売ること(セリング)を考えることのほうが好きなのです。
それでもデジタルマーケティング市場(?)は未だに大盛況。コンテンツマーケティング、アフィリエイトマーケティング、ネイティブ広告、マーケティングオートメーション、Eメールマーケティングなどなど、書いている私は全く意味不明のままに書き連ねているのですが、たくさんの手法が存在しているのは事実のようです。これからはAIさんがますますご活躍になられるのでしょう。
時代はどんどん変化しているのに、なんとなく変化していなくて面白いなと思う現象が「SNS」の活用です。SNSを連結していないと不安になってしまうのか、それとも圧倒的に手応えを感じているのかは分かりませんが、SNSを用いた観光情報発信は、「至極当然」といった感じで、世の中に大量に流されています。
その情報、本当に(人の心に)届いているのでしょうか?
SNS(ソーシャルメディアマーケティング)を行う最大の目的は、きっと情報を「拡散」させること。デジタルマーケティングのコンサルティングを行っている人たちは、「まずは知られないと始まりませんよ!」「多くの人に知ってもらいましょう!」「こんな安価で何万人の人に情報が届きますよ!」と、びっくりするほど同じ言葉で営業をかけてきます。
すべてが嘘ではないでしょう。
確かに、SNSで多くの人(のスマホ)に情報を届けることが可能。地域・世代・嗜好性などもフィルタリングして、実に効果的に情報を届けることができるようです。
が
落とし穴が待っていますのでご注意を。
昨今、いかにも怪しいフェイクニュースだけでなく、消費者は「公式アカウント」も敬遠しているという調査結果を目にする機会が増えてきました。公式アカウントからの情報発信が、購買活動につながらなくなっているのだとか。
何故でしょうか?
ズバリ「信用できないから」。言い換えると「発信者の都合でコントロールされた情報であるから」です。
超情報化社会の消費者は、毎日膨大な情報に晒されています。うんざりする程の情報の海の中で、信頼できる情報は何なのかに関し、意識的にも無意識的にも、日々消費者は感度を高めていることを知っておいて損はないでしょう。
消費者は「安全」な情報よりも「本当(本音)」の情報を。表面的な「イメージ」よりも「リアル」な感触を求めはじめているのです。
SNS情報は、個人アカウントからの情報でなければ、人の心に深く刺さりません。
公式アカウントのSNSにはどうしても「作為的」なものを感じてしまうものなのです。
公式アカウントに潜む作為的な例として・・・
・知ってほしいという欲求
・拡散してほしいという欲求
・いいね!と言ってほしい欲求
上記のような伝える側の「欲求」に対して、消費者はネガティブになりつつあります。なんとも難しい時代になったものです。
最近は流石に減りましたが「いいね!してください」とか、「拡散希望」などは、言うなれば愚の骨頂。本当に有益で価値のある情報は、個人アカウントで自然に世の中を駆け巡ります。発信力の高いインフルエンサーに情報を届けてもらおうという手法も、結局作為的なものなので、いずれ信用されなくなるのでは?と私たちは考えています。
SNSマーケティングの活用をもちろん全否定したい訳ではありません。ただ、『個人の口コミが最強の広告』という価値観はこれからも変わらないと信じておりますし、自分たちだけですべてを伝えるのではなく、多くの人が思わず誰かに伝えたくなってしまうような、価値のある情報とサービスを提供することにエネルギーをかけるべきだと真剣に考えています。
流れていってしまう「フロー型」のSNSよりも、今を記録し、それを情報資産として蓄えていく「ストック型」のBlogをモトクラシーはこれからも大切にしていきます。自分たちが知っていることを、自分たちの言葉、自分たちの表現方法で、1mmも情報を盛ることなく、地元ローカルのツーリズム情報としてお伝えしてまいりますので、どうぞ気長にお付き合いいただければ幸いです。
観光情報もブームのように流れ去るフロー型の発信ではなく、何度も訪れたくなるなるようなストック型の情報発信が求められていることは間違いなさそうですよ。
ブログを年単位で書き続けることは修行のようなもの
でも最終巻まで修行を続ける悟空が最強なのです
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