旭川市を中心に季節を問わず西へ東へ駆け巡り、気が付けばあっという間に5周年。2015年には想像もしていなかった2020年の夏。モトクラシー5年の歩みをのんびりと振り返る暇もなく、次の5年を生き残るために、考えていること、やっていること、やり続けていることをざっくりとご紹介いたします。
全てはココから
2015年の夏。
旭川通運株式会社は新たなプロジェクトを始めました。本業の運送業とはほぼ無縁の『ホテル・観光企画』事業。‟人流の中に物流がある”という前社長の信念のもと、‟地元への恩返し”・‟地域貢献”・‟地域の魅力再発見”、などなど、多くのmissionも含まされながら、実に手探りで船出した(そこそこ)一大プロジェクトなのでございます。
プロジェクト担当者はこのブログを書いている男。当時37歳。
男に加えて訳も分からないまま担当になった新人。当時18歳。
このエピソードはもう何度も何度もお話ししてきたのでほぼ全て割愛いたしますが、兎にも角にも、ようこんな2人で走り出させたものだと、当時の社長に敬服の念を抱かずにはいられません。
社長曰く「イイことをやれ!」「面白いことをやれ!」「思い切りやれ!!」
それでは。。。
ということでやらせていただいたのが、冒頭画像の「街中熱気球」。
文字通りのアドバルーン。広告宣伝効果にも期待して巨大な球皮を街のど真ん中で膨らませた訳です。
新しいことが始まりますよ!
面白いことを始めますよ!
旭川市民のみなさん、自分たちの街を上空から眺めてみませんか!
2015年の夏。
新卒新人の気持ちをガン無視ししながら、私の心は高揚感で一杯だったことを覚えています。
そして、基本的なツーリズムに対する想いや信念が、2015年当時からほぼ変わっていないということを、2020年の夏に噛みしめているところです。
「地元の暮らし」「地元で暮らしている人」「地元の人も知らない灯台下暗し」
そんな「モトクラシー」を紹介しますと、5年間言い続けてきました。あらためてよろしくお願いいたします。
マイクロツーリズムとは何ぞや?
2020年の夏。
にわかに「マイクロツーリズム」という言葉が躍っております。
今年は世界中がパンデミックで大混乱。北海道の観光業・旅行業は甚大なダメージを受けてしまいました。主に訪日外国人をターゲットとして右肩上がりの成長戦略を描いていた地域ほど、失われた経済効果は計り知れません。売上が「0(ゼロ)」になってしまう経験は、私の観光人材キャリアで初めてのことでした。
そんな最中に登場した言葉が前述の「マイクロツーリズム」。
インバウンドの回復は数年先、まずは近場のツーリズムだ。と、いうことのようです。一大ホテルブランドのトップが連日テレビで連呼したため、あっという間に浸透してしまった不思議なワードです。
5周年のモトクラシー。
この「マイクロツーリズム」という流行言葉には、「何を今さら」というのが正直な感想です。
観光地域づくりを進めるにあたり、『地元』『近隣』『リピーター』を大切にするのはごくごく当たり前のこと。マイクロツーリズムなどというジャンルが新たに生まれた訳ではないと考えています。
マイクロツーリズムという言葉を使ったことがないので馴染まないのですが、モトクラシーの5年間はマイクロツーリズムの歴史だったと言っても過言ではありません。
地元で楽しむ。近場で楽しむ。何度も楽しむ。
これらはココで暮らしながら商品開発をしている私たちだからこそできること。逆説的に言えば、私たちはこれしかできません。
5年という歳月は決して短くないですが、季節で表現すれば、ようやく冬を「5回」経験しただけ。まだまだ知らない地元の地域資源が溢れていて、終わりや限界を感じることなく、お陰様で楽しく新たな企画を作り続けることができています。
今年の秋にはさらに磨きをかけた「地元愛ツアー」を企画中。遠方の方にご参加いただくのも歓迎いたしますが、できるだけ地元の方に参加していただいて、未だ知らない地元の「モトクラシー」をご紹介・ご案内できればと考えているところです。お楽しみに。
「情報発信」がモトクラシーの大切なお仕事に
体験型ツアーを実施していると、お客様から必ずと言ってもいいほど「どこか美味しいお店ある?」とか「おススメのお土産は何?」という質問をされました。その都度、私たちの知っている範囲で情報を提供し、時間があったときは一緒にご飯を食べに行ったり、お買物につきあったりしてきました。
あまりに何度も聞かれるので、そういう情報にニーズがあるのだなと自然と気付くことができたのでした。ちょうどシャトルバスを毎日運行管理するお仕事をしている時期と重なったため、「バスを利用する観光客にとって有益な情報提供をしよう!」と思い立ち、訳も分からず素人制作でスタートさせたのが「フリーペーパー」事業の始まりです。
今ではすっかりライフワーク。
HPも自分たちで作るようになり、ブログの更新頻度もフリーペーパーのお陰でネタ不足に苦しむことがなくなり、安定的に情報発信ができるようになりました。
昨年までは観光客のみなさまに手に取っていただいておりましたが、今年の春号からは明らかに地元の人が掲載店で手にしてくれていることも分かってきました。
「情報発信」が一つのマイクロツーリズムになる手応えを感じています。
地元をいつまでも大切に
上の図は私の頭の中を部下が円グラフにしてくれたもの。モトクラシーは頭の中の最低半分は「地元住民」に向けた企画や情報発信のことで埋まっています。
そこを基盤に、遠方から来られる方、そして訪日外国人へと目を向けていくスタイルです。
私は現状コロナ禍で語られている「先ずはマイクロツーリズム」という論調がハッキリ言って嫌いです。
コロナ禍が収束し、遠方の旅行者が戻ってきたタイミングで、すっかり地元の人間を忘れたツーリズムが各所で展開されることを懸念しているからです。
そして、また何かの災害、感染症、事故などが発生した時だけ「マイクロツーリズム」が注目される。この繰り返しは心情的に許せないのです。
困ったときのマイクロツーリズム。それって馬鹿にしてませんか?地元のお客様を。
危機の際、困ったときに助けてくれるのは地元や近隣のお客様です。マイクロツーリズムは、ツーリズム全般の基礎基盤として再認識するべき大切なものです。何が起きても変わらない、何があっても必要とされる「近場のツーリズム」の重要性を多くの方々と共有していきたいと考えています。
紛れもない事実として、モトクラシーが何とか営業を続けていられるのは、ひとえに地元のみなさまが支えてくれているからに他なりません。
5周年を迎えてあらためて地元のみなさまに感謝申し上げます。本当にありがとうございます。
ひっそりと移転いたしました
実にひっそりと5周年を迎えたモトクラシー。
これまたひっそりと事務所機能を2020年7月1日より隣町に移転しております。
新たな拠点は旭川市の隣町、東川町。旭川空港や大好きな大雪山国立公園が近くなりました。
私たち3名が丁度収まる小さな事務所で、心機一転ではないのですが、気分は新たに活動を始めています。私たちしかおりませんので、お近くに来られた際は、どうぞお気軽にお立ち寄りくださいませ。
次の5年をむかえるために
果たしてこのコラムを最後まで読んでくれる強者が何人いるのか、1人もいないのかは分かりませんが、何ともまとまりもなく大した意味もないコラムになってしまったことをお詫び申し上げます。
新型コロナという未知のウイルスが私たちの仕事はもちろん、暮らしそのものも破壊してしまう恐ろしいものだと、ずっと危機感を抱いています。
4月のコラムで勝負の年と宣言しましたが、勝負の行方は変わらず見えておりません。
それでも、お陰様で前を向いて日々活動できています。
新企画も登場します。
毎日の積み重ねで、気が付けば10周年。そんな未来になっていることを予想、予感、予言して、このダラダラとしたコラムにピリオドを打とうと思います。
最後の画像はちょっと前だけど普段の様子。危機感なんてどこへやら。楽しく元気に暮らしています。
この長文コラムを毎日頑張ってくれている部下2人に捧げます
いつもいつもありがとう これからもよろしくね
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