シリーズ「ちょっと知りたい」Vol.4。ちょっと暑すぎるのでは?と、思わざるを得ない2021年の夏。そんな時に湧き上がる感情を大切に。内陸、山育ちの北海道民でも、時々海を見たくなる衝動に駆られるのです。
避暑地はどこへ?
昨年(2020年)、北海道の季節 意外と暑い旭川エリアの『夏』
というコラムを書かせていただきました。
今年(2021年)、このコラムが閲覧数第一位となっています。
特段、面白いコラムという訳ではないと思うのですが。。。
「旭川 暑い」とGoogleさんに検索かけると、このコラムに辿り着けるようです。
そう、今夏は暑いのです。近年なかった猛暑日が続いています。
北海道が避暑地だと思っている道外の皆さま。残念ですが北海道もしっかり暑いですよ。
熱中症対策を忘れずにお出かけくださいね。
これだけ暑くなりますと、行きたくなる場所は限られてきます。
今回のコラムでは、そんな衝動の一つをご紹介。涼しい場所でのんびりお読みいただければ幸いです。
山の民の気持ちなのです
「そうだ〇〇、行こう。」は誰もが耳にしたことのある鉄道会社のキャンペーン。
私たち北海道民が気分で新幹線に乗ることはありませんが、ドライブでどこかにバビューンと行きたくなる衝動に駆られることは少なくありません。
私(ハヤシ)が年に一度駆られる衝動は「そうだ、海に行こう。」です。

波乗りをする訳ではありません。ダイビングをする訳でもありません。釣りもしません、泳ぎもしません。
それでも普段山に囲まれた上川盆地で暮らしているからでしょうか?なんだか無性に海が見たくなるのです。
水平線を眺め、波音を聴き、潮風に包まれる。
それだけで結構な時間、何もしないで費やすことができるのが不思議です。
普段海辺に暮らしている人は、反対に山へ来るとそう感じるのでしょうか?

地のモノが一番!
「旭川は食の集積地。北方の海産物はココに集まるので、新鮮で美味しい魚介類が食せるのです」
恐らく何十年も言い続けられている地元観光PRの決め台詞。もちろん嘘ではないでしょう。旭川はもちろん、大都市札幌の街中だって相当に美味しい海産物が味わえます。
それでも天邪鬼の私は、いつもこう考えてしまうのです。
「いや、海のモノは海で食した方が絶対に美味しいです」と。

ネット社会、高速通信、物流革命。
日本中どこのお宅にも、各地の特産品がクリック一つで届く時代です。
そんな時代だからこそ、あえて時間をかけて足を運び、旬を味わうことの価値を見直していきたい。伝えていきたい。※モトクラシーは「早い」「安い」「便利」にあまり重きを置いておりません。
足を運んだ先での「出会い」や「コミュニケーション」は(今のところ)インターネットでは手に入りません。
オンライン通信や動画配信もありますが、交流の「深さ」が違います。ローカルの価値は人と人との距離が近いことにあると私は信じています。
残念ながら、いろいろ難しい時代になっちゃっていますけどね。

無知なることの再発見
さて、海の話に戻りましょう。
個人的には海に行ったら絶対「市場」に行くことにしています。新鮮な魚介類だけではなく、知らなかった知恵や知識を手にすることができる素敵な場所だからです。
例えば「エビは一年中水揚げされている」ことを、私はこの年まで恥ずかしながら知りませんでした。
勝手にすっかりエビの旬は「夏」だと盲信していたのです。毎年開催されていた「エビ祭り」の影響かもしれません。
こうした無知なることの新発見は何歳になっても面白いですね。

日本海側の魅力
日本海まで足を運ぶもう一つの楽しみ。それは、北海道では数少ない歴史探訪ができることです。
人々が逞しく生きてきた足跡がココには多く残っています。
先日、「果樹栽培を本州から持ち込んだ人」の記念碑を増毛町で教えてもらった時のこと。
果樹栽培の父は、完全に武士の格好をしていて、純粋に「面白い!」と思いました。
この人が初めて船で北海道へやってきた時に見た風景と、現代の私が見ている景色にそんなに違いはないのだろうな。
海を越えて遠くに見える離島や暑寒別岳を眺めていると、そんな想像・妄想が膨らみ続けるのです。


この頃、時代が変わっても変わらないモノに魅力を感じるようになりました。
海に行きたくなる衝動の源は、そんな変わらぬ価値観に、たくさん出会える場所だからかもしれません。


こちらのコラムの内容をフリーペーパー Vol.7で紹介させていただきました。
留萌市生まれのカメラマン「SHIHO」さんの写真が圧巻ですので、ご一読を。
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