結論「育成された者しか育成できない」
我が国が「観光立国」を目指すと宣言したのが2003年のこと。四半世紀程もの時を経て、2025年現在で盛んに論じらているテーマが「観光人材育成」です。
え!今更ですか!?
と、少々品を欠く言葉遣いには気を付けるとして、あまりにも当たり前のことが話題となっている観光業界の現状に、少々悲しくなってしまいます。
観光地経営ができる人材は専門人材(スペシャリスト)なのだ!と、世間の評価が変わってくれるのであれば前向きに捉えようと思います。しかし、観光・ツーリズムのお仕事は「誰にでもできる簡単な仕事ではない!」と、私は小さなプライドを持って従事してきましたので、
え!今更ですか??
と、若干の怒気を孕んで発言してしまいたくなるのです。どうかお許しを。
さて、観光庁のHPで「観光地経営人材について」というページを発見しました。興味のある方は覗いてみてください。
その中で、具体的(っぽい)な内容が記載されています。
【観光地経営人材とは】
観光地経営人材は、観光地の再生・高付加価値化を進め、 持続可能な地域づくりを牽引する人材です。
【理想となる人材像】
〇観光地経営者を牽引する者として、地域に対する誇りを愛着をもっていること。
〇自組織の利益だけでなく、地域全体の利益を考える持続可能性を基本とした、ビジョンとミッションを示す起業家的な役割の発揮。
〇不確実な状況でも課題を解決し、地域全体に利益をもたらす成果を上げることができること。
〇行政や文化、農林漁業、交通等の地域内の事業者に加え、地域の関係者と協力し、信頼関係を築きながら協働し合意形成を行うことができること。
〇観光地経営を牽引する者として、社会的使命感や倫理観、責任感を持ち、コンプライアンスを遵守し適切な事業を運営管理ができること。
(以上、掲載原文ママ)
ね?それっぽい内容でしょ。正しい日本語くらい意識して欲しいところですが、、、
愚痴や不満や文句ばかりを言っていても始まりません。観光人材育成育成の必要性は私も感じていますし、絶対にやるべき課題の一つだと考えています。
先ず問いたいのは、「誰が」育成するのですか?という点です。上記にある「理想となる人材像」を既に体現している方が育成担当者でなければ、将来を担う若手を育成することなど、絶対に不可能だと思うからです。
「私(林)が理想の観光人材だ!」などと宣うつもりは毛頭ございません。しかし、私は若かりし頃、前論でも少しだけ紹介した、上司(鬼)に育成していただく機会に恵まれました。当時の上司(鬼)は、理想の観光人材像にかなり近い方だったと断言できます。
お陰様で、ローカルツーリズムの実践者として起業することができ、微力ではありますが、観光地域づくりに貢献すべく、日夜様々なツーリズム商品を開発したり、販売したり、運営したりすることができるようになりました。観光人材としての基礎・基本について、ツーリズムの現場で正しく(優しくはなく)指導していただいた賜物です。
想像するに、私の上司にも、心の師(鬼)がいたのでしょう。誰かの指導(愛)を受けた人材でなければ、次の世代に愛を持って育成することなどできません。育成していただいた「自覚」と「感謝」と「謙虚さ」を持つ人だけが、観光人材育成を行える。私はそう信じています。
「観光人材」という何とも不明確で不明瞭なこの仕事。私にとっては天職です。この仕事の素晴らしさと楽しさと遣り甲斐と苦しさを、残された社会人時代に全て伝えていきますので、引き続き「ココ企画の論」をお楽しみに。
この情報発信をきっかけに、興味と覚悟を持って、この世界に飛び込んでくる若者が一人でも増えることを期待しています。
【代表社員】

林 和寛(はやし かずひろ)
国は誰を「理想の人材像」のモデルにしているのでしょう?因みに私は理想を体現できているでしょうか?恐る恐る部下に聞いてみることにします。
【社員からのレビュー】

山本 桃(やまもと もも)
時には心を鬼にし、人知れず傷つきながらも、決して歩みを止めない弊社代表。成功しているかはさておき、「理想を体現している」には違いないと思います。