シリーズ『美味しいものたべたい』Vol.29。あそこの料理が食べたいから、また旭川に来たい。そう思えるほど柔らかいことこの上ない、美味しい肉料理を食べさせてくれる旭川市の洋食屋さん「ぶたバル すぎもとキッチン」さんについて。
このお店があるから 旭川にまた来たい
北海道としては珍しく、本当に本当に暑かった今年の夏。
ふと気づけば、もう朝晩はとっぷり冷え込むようになり、短い秋がやってきましたね。
秋の夜長のお供にと最近手に取ったのが、ジュール・ヴェルヌの「八十日間世界一周」。
150年ほど前に書かれた小説ですが、創作とは思えないほど描写がリアル。
あたかも、イギリスの資産家フォッグや執事のパスパルトゥーという、ひと癖もふた癖もある登場人物と一緒に、名誉をかけた旅をしているような臨場感を味わえます。
ただ、文庫本下巻のさわりまで読みましたが、ちょっと物足りない点も。
それは、食事の描写が少ないこと。
題名のとおり、彼らの第一目的は「80日間」で世界一周をすることなので、スピード重視なんです。
当時は飛行機などなく、汽車や船、時には象で移動するしかないので仕方がないと思いつつ、折角初めて降り立った場所なのに、訪問の証拠としてビザにスタンプを押してもらってハイ次!ではなんとも味気ないではありませんか。
やっぱりどこか旅行にいったら、「また食べに来たい!」と思えるようなお店に出会いたいと思うのです。
…前置きが長くなりました。
自分自身がそう思うので、遠くからはるばる旭川に遊びに来てくれる家族や友人にも、それ自体が再訪理由になるような、素敵なお店を紹介したいところ。
今回は、彼らにも、もちろんみなさんにも自信をもって案内できる、とにかくお肉が柔らかくて美味しいお店「ぶたバル すぎもとキッチン」さんをご紹介します。
ぶたバルのいるところ
旭川市の医療を支える施設の一つである、旭川医科大学、通称「旭医(きょくい)」。
ぶたバルは、旭医のほど近く。「緑が丘」という地区に店を構えています。
元々同じ店名で営業をしていましたが、2020年9月から坂井ファームを運営する株式会社SANが経営者となり、リニューアルオープン。
西神楽で養豚業を営む「すぎもとファーム」さんから、大変美味しい豚肉が提供されています。
お料理を手掛けるのは、こちらの押切シェフ。
ちなみに、モトクラシースタッフのハヤシ・オガワが、今はなき「雪の美術館」のレストランで食事をして、「あんなに美味しいガレットは食べたことがない!」と騒いでいたのですが、その料理を作ってくれていたのが押切さんでした。
感動すら覚える 肉の柔らかさ
ホテルや結婚式場などで磨いた確かな腕をふるって、押切さんが提供してくれるお料理たちは、どれも美味。
例えば、こちらのポークステーキ。
見た目はとてもしっかりしているので、いかにも噛み応えがありそうですよね。
では、どうぞ一口召し上がってみてください。
あまりの柔らかさに衝撃が走るはず。
「噛み切るべし」という指令が脳から伝わったのが先か、はたまた、肉がほぐれたのが先かわからなくなるほど、とってもとっても柔らかなのです。
和風クリームソースといい塩梅に絡まって、東旭川産のこれまた美味しいご飯が進む進む。
喜寿を迎えて久しい私の祖父も、ぺろりと平らげていました。
祖父の頑健な胃もすごいですが、肉であっても重く感じさせない調理法や味付けの妙ですね。
本当は、どうしてこんなに簡単に骨からはがれるのかわからないスペアリブや、ポークのライスドーム、ビーフシチューなどなど、色々な写真を掲載するつもりだったのですが、お恥ずかしながら毎回食欲に負けて先に箸をつけてしまっていたようで。。
今後撮れたら追加していきたいと思います!
月ごとの限定セットメニューもあるので、いつ行っても飽きないですね。
ココにないと困るお店
8月に伺った際にはビアガーデンを実施されていて、このようなご時世でも新しい取組をされていて素敵だなと感じたのを覚えています。
コロナ禍においては、通常の営業ができる時期もあれば、テイクアウトしか提供できない時期もあり、飲食店のみなさんの苦労たるや、想像もつきません。
お店を続けていくために、みなさん本当に創意工夫を凝らして頑張っていらっしゃるなと感じますし、「なくなってほしくない」。
そう思うお店は山とあります。
何が是で、何が非なのかが判然としない今日この頃。
なるべく周囲の人を不安にさせないように、情報を集めて、自分の頭で考えて、できること、やりたいことをしたいと思うのです。
考えたうえで、次にまた「肉が食べたい」と思った時や、誰かが遊びに来た時には、きっと私はぶたバルに足を運ぶのでしょう。
美味しいものを元気に美味しく食べるため、しっかり運動して、しっかり寝て、より一層健康に気をつけていきたいと思います!

最近だと、引っ越し作業の後や黒岳に登った後に、無性に肉が食べたくなってぶたバルさんに行きました。
気づいたら目の前にあるのはお皿だけ。不思議ですね。

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