ココの子育て環境お伝えします。息子と共に暮らして早12年。山を登ったり、川を下ったり、雪面を転げ落ちたりしてきました。沢山の思い出を振り返りながら、親子がココ(北海道旭川市周辺)でできる自然体験をお伝えしていきます。記念すべき第一弾は、初心者歓迎『黒岳』登山について。
2011年 春
私(ハヤシ)、妻、息子(2才)の3名が、長野県飯山市から北海道旭川市に移住してきました。
大震災の影響もあり、家族バラバラでの引っ越し作業。急な転職。この地に縁や所縁は一切なし。経済的にも精神的にも不安定。妻とも沢山喧嘩した記憶がございます。
それでも、今になって振り返れば、旭川市に移住してきて良かったと心から思っています。仕事を通していろんな経験ができました。いろんな出会いがありました。無理をしてですが、マイホームも購入できました。さすがに独立・起業するとは夢にも思っていませんでした。波乱万丈ではありましたが、全てが現在に繋がる、充実した時間だったと感じています。
何より、絶賛溺愛中の一人息子が、ココで元気に楽しく逞しく成長してくれたこと。これに勝る喜びはありません。
どちらかと言わなくてもアウトドア派の私にとって、ココでの暮らしや、ココの環境は、本当に満足しています。四季を通して色々な場所に出かけ、様々な自然体験を息子と一緒に楽しむことができました。
スタッフ全員担当制の「コココラム」。
2022年現在、唯一の40代で、唯一の子育て経験者である私のコラム。何を書こうか迷った結果、私なりの子育て日誌を書くことにしました。題して「父と息子と大自然」。
現在子育て中の方。
これから子育てしていく方。
いつか子育てをするかもしれない方たちへ。
私たち親子の自然体験記録をお贈りします。何かの一助になれれば幸いです。
黒岳挑戦 4才
何度かお伝えしていますが、私はもともと山のガイドです。
息子が生まれたその日から、いつか一緒に山を登るのだと、勝手に心に決めていました。彼の二足歩行が可能となるや否や、里山の散歩道に連れて行き、訓練を開始。早く大きくなれよと願う日々のはじまりはじまり。
念願の初登山は、息子4才の秋。目指した頂は、標高1984mの『黒岳』です。
ロープウェイとリフトを利用できる、大雪山系の中で、最も初心者向けの山の一つ。とは言え、私も黒岳は初登山。若干の緊張感を持って山に挑んだ記憶があります。
早朝に旭川市の自宅アパートを出発し、なるべく早い時間のロープウェイに乗ることにしました。自宅から、上川町の黒岳ロープウェイまでは約1時間で到着します。
記憶にある持ち物は以下の通り。
①ザック2個(息子も生意気に持参)
②行動食(カロリーメイトや飴玉など)
③お弁当(妻が早起きして作ってくれました)
④水(2ℓ×1本+500ml×2本)
⑤地図(念のため)
⑥雨具(それぞれのレインコート)
⑦登山靴(息子はスニーカー)
⑧カメラ(当時スマホは持っていなかった)
⑨双眼鏡(頂上で使いたかった。親父の形見)
⑩コンパス(まあ、使わないけど念のため)
⑪ヘッドライト(まあ、使わないけど念のため)
⑫着替え・タオル(汗をかくから)
特別な装備は必要のない山とは言え、最低限これ位は準備することをおススメします。
4才児が登山をすると、、、
7合目から山頂まで、大人がゆっくり歩けば、1時間半程度で着くことができます。
ところが4才児と歩くとそうはいきません。片道2時間はかかりますのでご注意ください。休憩、休憩、休憩が必要です。
辛く苦しい山行の時間、、、
という訳でもなく、4才の息子にとって嬉しいことが次々と起こります。
嬉しいこと① 『とにかく褒められる』
「あら~偉いわね~」
「凄いね~偉いね~」
「頑張ってね~偉いね~」
などなど。通りすがりの大人から、賞賛の声がやみません。
歩いているだけなのに。。。
こんなに大人から褒められることは彼の人生にとって初めてのことだったのでしょう。
得意満面。破顔一笑。天上天下唯我独尊。
登山は子どもの自尊心を高める効果があると思います。
嬉しいこと② 『とにかくオヤツを貰える』
笑う門には福来る。褒めてくれる大人、特にご年配の方々から沢山のオヤツを彼はGETしました。当てにしてはいけませんが、4才児と登山する時にオヤツは持っていかなくても大丈夫かもしれません。歩いているだけで、笑っているだけで、多くの食料品が集まります。
歩いているだけなのに。。。
山の愛好家の皆さまは本当に優しいです。沢山の愛情を息子に与えてくれたこと、今更ではありますが御礼申し上げます。
嬉しいこと③ 『凄い出会いがある』
これは下山後の話になるのですが、先述した優しい優しい方々の中に、普段なかなか会う機会のない方がいらっしゃいました。
大変丁寧なお手紙と写真を自宅まで送ってくれた次第です。こういう人との出会いがあるのも登山の魅力の一つですね。
黒岳登山で得られるもの
このコラムを書いているのは2022年の秋。息子と登山したのがもう8年前のことです。ですが、大袈裟ではなく昨日のことのように覚えています。私にとって大切な大切な思い出の1日なのです。
そして、現在12歳になった私の息子もあの日のことをよく覚えています。しっかり覚えてくれています。恐らく一生覚えていてくれるのでしょう。
私たち親子にとって、そんな1日があるということが宝物です。そんな宝物を提供してくれた、北海道の自然に心から感謝しています。
黒岳登山を皮切りに、この後息子とは幾つもの山を登頂してきました。
ですが、この日の登頂を超える感動はありません。
達成感に満ち溢れた息子の笑顔に出会えて、とてもとても幸せな1日でした。
写真を見るに、達成感に満ちているのは私の方かもしれませんね。
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