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モトクラシーの小さな成果報告

5周年を経過して、ゆっくり着実に成長を続けている「モトクラシー」。大きな影響力はないけれど、胸を張って言える成果は残せているので、そのご報告を。地域おこしとか観光まちづくりとか地方創生ツーリズムとか言葉は色々ありますが、結局小さな成果の積み重ねが地方にとって必要なことだと実感するこの頃です。

今回のコラムも長いです

20194月、私たちは札幌市出身、(当時)東京都在住の若者の中途採用に成功しました。

 

本当であれば今年の4月に、1年頑張った彼女のことを自慢…いや紹介したかったのですが、世の中が緊急事態だった為、9月のコラムまで引っ張ってしまいました。

 

その名は「カワノモモ」。2018年の初秋にモトクラシースタッフ求人ブログを一読してしまい、持ち前の度胸と行動力で旭川市を訪問。あれよあれよと採用が決まり、本人の希望を尊重する形で、世界一周旅行を終えてから勤務を開始。あまり一般的ではない転職を実現させた、なかなかの変わり者です。

 

アイスランド桃さん
なかなかの変わり者

 

本人の転職理由は大きく2つ。

①地元北海道で役に立つ「顔」の見える仕事がしたい

②東京がすぎる

 

どっちが重要だったかはさておき、「地域活性に貢献したい」とか「観光まちづくりを実践したい」とか「地方創生を成し遂げたい」などと言ってこなかったことにご注目。

1年経過して、この『適当なモチベーション』が実に適当な温度感だったなと思っているのです。

 

今回は、本人の承諾のないまま(昨日より短い夏休み休暇に入りました)、弊社のスタッフを紹介するスタッフブログでございます。お時間ありましたら最後までお付き合いください。今回もかなりな長文になることを先にお詫びしておきます。

 

文責:話も文章も長くなるカワノの上司 ハヤシ(42歳) 

当時の採用条件

私は2018年の夏にブログにて求人を公開しました。求人情報はこのブログだけで発信され、転職サイトはもちろんハローワークにも公開しませんでした。

結果として採用コストはほぼ「0」ですから、コスパは最高という結果になった訳です。

 

求人ブログ
求人ブログ

 

地方で優秀人材の新規採用をお考えの人事担当者様にはおススメの手法です。

「必死に」4時間かけて採用条件・求める人物像・仕事の内容を丁寧に文章にして発信すれば、まさしく希望する人材に(きっと)出会えます。私たちは出会えました。

 

ちなみにこの情報を発信したブログページの閲覧者数、及びFBのリーチ数ともに、今も破られないWebモトクラシーの最高記録となっています。情報を拡散してくれた地域のみなさまに今更ながら改めて感謝申し上げます。

 

2018年12月
最終面接にやってきたカワノ(右)面接官ではない者(左)

 

さて、当時の私が記した採用条件・求める人物像は下記の通り。

 

①このページを全文読破できる人

②社会人経験3年以上

③根がマジメな人

④観光・旅行業の経験は不問

⑤特技のある人

⑥女性(女性目線を有する男性)

⑦移住を伴う転職者

 

我ながら、なかなか好き放題言わせていただきました。でも一緒に働く(暮らす)人を探しているので妥協や手抜きはしたくない。

 

果たしてこんな人いるだろうか…?? いた~!!という顛末です。

 

入社したての桃さん
入社まもなく やや不安な笑顔にも見えます

 

それではカワノという人物と求める人物像を照らし合わせます。

 

 

➀このページを全文読破できる人

カワノさん、見事に読んでしまいました。しっかり読んできました。この時点で文章読解力と考察力、最低限の根気が備わっていることが保証されてしまいました。合格!

 

➁社会人経験3年以上

この条件は余裕でクリア。社会人的マナーと素養を持っていることが応募時のメールのやり取りなどで確認でき、安心したことをよく覚えています。お堅い国家公務員だったためか「幸甚に存じます」などと20代女子が宣うことにはちょっと笑ってしまいましたが。合格!

 

 根がマジメな人

まあマジメです。これは採用後の現在でも変わらない評価ですが本当にマジメです。感心させられます。カワノはサボったり手抜きしたり言い訳したりしません。

求人ブログでも書きましたが採用時の重要ポイントだと私は思います。「マジメな人募集」と謳うだけで、自分は不真面目かなと思っている人は応募してきませんので、一文入れるとイイですよ。

また、➀の条件をクリアできる、長文を読破できる人はマジメな人が多いと勝手に思っています。無論合格!

 

④観光・旅行業の経験は不問

結果としてカワノが未経験者であったことが本当に良かったと思っています。

本人が純粋にお客様目線で考えられたり、私たちが公務員目線でのアドバイスもいただけたり、組織としての視野視点が格段に広がったからです。

観光・旅行業しか経験のない年下のオガワの成長にも間違いなく繋がっています。もちろん合格!

 

姿勢の良い桃さん
性格が姿勢に表れているカワノモモ

 

⑤特技のある人

この点に関しては後半で詳しく紹介します(まだ前半なのか!?)。とにかく合格!

 

⑥女性(女性目線を有する男性)

女性なら誰でもイイという訳では当然ないのですが、ツーリズム産業は女性が向いているのだなぁと以前よりも強く感じています。

私(オッサン)からは生まれてこないセンスや表現を沢山生み出し続けてくれています。

カワノを採用したことで、次の採用時にもこの条件は外せないなとも考えています。言うまでもなく合格!

 

⑦移住を伴う転職者

この点に関しては反省点も多く、今後の継続課題でもあります。

私自身が移住慣れしている転職者だったため安易に表現しましたが、20代女性が縁も所縁もない土地に、単身移住してくることの不安や心細さは、もっとちゃんと事前に説明、共有しておく点だったと猛省しています。

世界がどんなにオンラインでつながっても、身近な親類・友人の存在の大切さには敵いません。職場環境の改善だけでは限界があります。

コロナ禍を経て、都市部からの移住相談や実際の移住件数も増えているとの報道を耳にしますが、当人にとって移住はゴールではありません。移住後のそこから先に関して、成功談ばかり伝えるのではなく、苦労や悲しみも含めて、ありのままを伝えていく必要性を痛感した(している)1年半でした。受け入れ地域や受け入れ組織には、それ相応の覚悟が必要になることをカワノが教えてくれました。採用者が不合格。

 

笑うモモ
地方移住は楽しいだけじゃないんです

生まれた成果について

ここからはちょっと具体的な成果についてご紹介。

これだけのイイことをカワノは地域に、私たちに、もたらしてくれています。

 

成果➀ モトクラシーで使用する写真が飛躍的に向上

趣味「カメラ」ということを知ったので、ほぼ全ての画像撮影をカワノに行ってもらっています。結果、広報物に使用する写真が飛躍的にレベルアップ。特に「食べ物」を美味しく撮影できることが得意技。「食」への愛を感じます。

チームモトクラシーでは「特技」が判明すると半自動的、半強制的にその業務の主担当者となります。本人の希望通りなのかはさておき、どんどん任せていくと、自然と何でもやってくれるから不思議です。無能な上司としては「助かる!」としか言えません。「ありがとう!」も言っているのですが、いつも複雑な表情で応えてくれています。

確かにたった1年でカワノが主担当している業務は「カメラ」の他、「翻訳」「通訳」「イラストデザイン」「公文書類作成」「会議議事録作成」などなど、増えていく一方。複雑な表情が無表情にならないよう気を付けます(反省)。

 

肉の写真
お肉系の写真は本当に上手い

 

成果➁ フリーペーパーの情報量、発行頻度が上昇

いわば当然ですが、2名体制時よりも、地域への取材機会が圧倒的に増加し、紹介する情報量を一気に倍増させることができました。2名が取材に行っている時に、残り1名が事務所で制作を進めることができるようになったのも、大きな成果。

一般企業では当たり前のことかもしれませんが、スモールビジネスをしている小規模事業所にとって、1名増のインパクトは想像を超えて高いものです。

 

もちろん情報量が増えれば「仕事量」も増え続けることに。

いろいろ気を付けます(反省反省)。

 

 

成果③ チームワークの向上

上記、制作作業のみならず、3名体制になったことで、より濃密な意見交換・情報共有を日々頻繁に行っています。

私と部下オガワの2人体制時代は、すべて私の意見が通るに決まっていました。パワーの圧力をかけたつもりはないのですが、オガワが私を論破できる訳もありません。

しかし、カワノという強い強い味方が加わったことで、今では意見が21になる場面が増えたのです(もちろん私が1)。

私がカワノに注意されることも日常茶飯事となり、連日オガワが喜んでいることは言うまでもありません。

 

※上司が倍返しされると気持ちがいいのはドラマが証明してくれている世の真実です。

 

やや苦々しい思いもありますが、より風通しのよい職場環境になっていることは大きな成果に繋がっていると実感できている毎日です。

  

小川と桃
頼もしいお姉さんができて安心するオガワ(左)

 

成果④ 自ら地域資源を紹介する

旭川市に縁も所縁もなく移住してきたカワノモモ。

社交的で可笑しなキャラクターが愛されているのでしょう、よく友達が旭川市に遊びに来てくれています。そして、その際、カワノは「モトクラシー」で出会った、馴染みのお店を紹介して回っています。自分たちが普段使いするお店や地域資源を紹介するという基本姿勢を自然と身につけてくれていて、なんとも心強い。

 

フリーペーパーは広告媒体なので、当然費用対効果が求められます。割引クーポンは効果測定はできるけど、「価格」訴求手法なのでモトクラシーは「絶対に」導入しません。『価値』訴求を心がけている私たちは、送客実績を測定できないという弱点を持っているのです。それでも事業者の方々と信頼関係を構築できているのは、私たちが普段使いしているからという単純な理由に尽きることが多いです。

 

カワノの普段使い=モトクラシーの普段使い

 

「発信力」は弱いですけど、実感を伴う『情報力』は強いと自負しております。

 

燻し屋とカワノ
お知り合いが増え続けるお仕事です

 

効果⑤ 地域経済をまわす

大袈裟な表現ですが、カワノは地元の良いモノを積極的に購入し、自分の暮らしを日々バージョンアップさせています。

インテリア家具、雑貨、食品、スイーツ、お酒、などなど。旭川エリアだから得られる素晴らしい地域資源を楽しみながら、ダイレクトに地場産業を(結果として)応援しています。

カワノのような若手人材が地域に1,000人増えたら物凄い経済効果を生み出すのだろうなと思わせてくれる消費っぷりです。 

 

カワノ自宅
お洒落に暮らしています(カワノ宅)

 

他にもまだまだあるかもしれませんが、カワノを採用できたことで、ざっと挙げてもこれ位の成果と経済効果が私たちの職場と私たちの地域に生まれています。

 

たった1人の効果。小さいと思いますか?

 

私はこの積み重ねが本当の意味で地域経済を活性化させ、地方創生を成し遂げるものと信じています。もっと言えば、この積み重ねしか地域を救えないとも考えています。

 

しっかり雇用する。がっちり働いてもらう。きっちり成果をだす。どっさり地域で消費する。

 

地域活性って、こういう単純な循環だと思うのです。 

 

※諸説あることも否定しません。あくまで私見です。

カワノは現在も頑張っています

 

と、タイトルしておきながら本日は休暇中。ですが、2年目のカワノは昨年度以上にその能力と個性を発揮し、大車輪の働きをしてくれています。

 

汗と涙と笑いと努力の一つの結晶が、フリーペーパーVol.5。 

モトクラシー秋号は前作以上にカワノの手仕事が満載となっています。

 

1人でも多くの人に。。。とはあまり思っていなくて、

『大切に読んでくれる人』に届いて欲しいと思っています。

 

素敵な事業者さんたちの情報だから大切にして欲しいとの想いはもちろんありますが、カワノが一生懸命作ったモノなのだから、大切にしないと許しませんよ!という気持ちがより強いのかもしれません。

 

自分たちでハードルを上げますが、ご期待ください!

今秋号は過去最高傑作だね、と自分たちで誉めあっています。 

 

「見たよ」「読んだよ」と一言お店の人たちだけでなく、カワノモモにも届けてくれると嬉しいです。

 

 

ありがとうスタンド
掲載店にお渡しする「ありがとうスタンド」もカワノの手作り

 

 

このページを全文読破できる人って変人だと思います。

変人が変人のみなさまに支えられているのがモトクラシーです

 

そう、カワノって変な人なんです

 

 


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